ベトナム税制の概要
ベトナム税制の概要
法人所得税
1. 税率
現在の法人所得税の標準税率は20%が適用されています。 また、投資優遇制度として一定の分野や地域に投資する企業には法人所得税の減免や優遇措置があります(表1)。優遇税率の適用期間は、当該法人が実際に事業を開始し、売上を計上した年度から起算され、減免適用期間は単年度で課税所得が発生した年(繰越欠損金は考慮しない)から起算されます。ただし、設立して売上を計上した年度から、3期連続で欠損金が出ている場合、4年目から自動的に免税期間が開始されるので注意が必要です。 なお、駐在員事務所の活動に対して法人所得税は課されません。 表1:主な投資優遇制度
対象税率優遇期間優遇内容
社会的・経済的に困難な地域に投資する企業17%10年2年免税
4年半減
特に社会的・経済的に困難な地域への投資、ハイテク、科学研究などの分野への投資10%15年4年免税
9年半減
2. 申告・納付
法人所得税に対する申告及び納付は、四半期毎の予定納税と1年に一度の確定申告が要求されています。 予定納税は、四半期毎の課税所得に税率を掛けて納税額を算定し、その翌月30日までに納付を行います。例えば1月から3月までの課税所得に対する法人所得税の納付は翌月4月30日までとなります。以前は四半期毎の申告書提出も求められていましたが、現在は納付のみ必要となっています。 確定申告は決算日から90日以内に管轄の税務局に申告書を提出し、確定申告額に対し各四半期の納付額が不足している場合は差額を納付、超過している場合は次回の四半期納付の時に税額を控除して調整します。
3. 損金不算入費用
原則として、①事業活動に直接起因及び関連する費用及び、②法律が要求する適切かつ完全な請求書及び証憑を添付した費用、という2つの条件を満たす場合、損金として認められ、課税所得計算上控除することが出来るとされています。ただし、2,000万VND以上の取引を現金で支払った場合は損金不算入扱いになりますので、現金以外で取引したことを証明するため銀行送金証明書等の証憑も必要とされています。 また、上記の条件を満たしていたとしても法令で規定されている損金不算入費用に該当した場合は、損金として認められません。(例:労働契約書に記載のない手当、賞与等)
事業登録料(Business license fee)
企業は法人所得の有無にかかわらず、定款資本金額に応じて毎年1月30日までに事業登録料を納付します。事業登録料の金額は表2のとおりです。新規設立企業は、初年度の事業登録料が免除されます。 表2:事業登録料料金表
資本金額事業登録料
支店、駐在員事務所、営業所1,000,000VND
100億VND以下2,000,000VND
100億VND超3,000,000VND
個人所得税
個人所得税の対象となる所得の内、事業所得と勤労所得には累進課税制度が採られ、5%から35%の税率が課されます。また、投資、相続、株式の売買などから得られるその他の所得に対しては、その種類に応じて異なる税率が適用されます。なお、税金の控除制度として、納税者に対し900万ドン/月の所得控除及び、被扶養者一人当り360万ドン/月の控除が認められています。
付加価値税(VAT)
付加価値税は、物やサービスの流通に課される税金であり、国内における売買及び輸入貨物に対して課税されます。この流通課税である付加価値税の基本税率は10%ですが、水道、医療・教育関連設備などの必需品に対しての優遇税率は5%です。また、塩、教育・医療サービス、ソフトウェア、印刷出版などに関する業種には付加価値税が免除されています。
利息やロイヤルティなどへの源泉徴収税
ベトナム現地法人がベトナム国外の契約者と締結した借入金に対する利息の支払いや国外の親会社などと契約したロイヤルティ契約(商標権や技術移転など)への対価支払いには、利息やロイヤルティの対価を受け取る国外の契約者の所得に対して源泉徴収税が課されます。